幼児

やる気を育てる親子の会話

雪も解け、梅は咲いたかと山々は一斉に「山笑う春」の装いを始めました。風温み、風薫る候です。多少の地域差はありますが、この時期は別れと出会いの季節でもあります。
幼児教育に必要な要素に「人」と「自然」があると思いますが、今回は、映像や紙ベースに偏らないでこれらにどう関わるか考えてみましょう。

≪人は人中、木は木中≫
 幼稚園や保育園では幼児が友達と豊かに関わることを重視しています。1人遊びから次第に2~3人のグループ遊び、さらには多人数の集団遊びができるようになることです。友達と一緒に遊ぶ中で、思いやりや協力心、リーダーシップなどを育てるには「人」が要ります。
春浅い日の幼稚園の様子です。幼児が集まり砂場で山や川を作り、トンネルを掘り、橋を架け、電車を走らせる遊びをしていました。皆で話し合いながらもリーダーやフォロアーの役回りができ、好ましく見ていたことを思い出します。川の水運びに精を出すフォロアーも含めて「人間は人間を浴びて人間らしくなる」場面でした。
 このような仲良しの友達とも卒園式で別れ、入学先の小学校は別々です。低学年の幼児ではクラス替えとなることもあるでしょう。このような大小の別れも人生の一場面です。おうちの方は別れを惜しみ、優しく慰め、包んでやりましょう。そして新年度での新しい友達との出会いを楽しみにと励まし支えましょう。
 多くの卒園児を見送った私も、風温み風薫る頃の風に触れると「様々のこと思い出す桜かな」と人懐かしい気分になります。

≪花無心にして≫
良寛さんの詩に「花無心にして蝶を招き、蝶無心にして花を尋ぬ
花開く時 蝶来たり 蝶来る時 花開く」とあります。この悠久な営みの中に命の尊厳さを感得することができます。
幼稚園や保育園では「人は花を育て 花は人を育てる」といいます。園庭や教室に花が無ければ幼児の心に潤いが欠け、自然や友達、飼育動物などに対しての優しさ・思いやりの心は育たないでしょう。幼児の美的情操が育たず、遊んだ園庭も雑然としていることでしょう。
私も園長時代に園児や先生と共に園庭にたくさんの草花を植えました。好天に恵まれた卒園式後、園児やお母さんと満開の菜の花、桜草を背景に多くの写真を撮った記憶が蘇ります。ご家庭のアルバムに収まっていることでしょう。このような環境下で、やがて幼児は「花はなぜ美しいか。一筋の気持ちで咲いているからだ(八木重吉)」という気持ち、誠実に生きる心に気付いていきます。
家庭の庭やベランダでも幼児の心育てはできます。蝶が花に飛び来り、葉に卵を産み付け、幼虫・さなぎとなり、羽化を見送る幼児…このような環境下で幼児育てをしたいものです。
≪映像、バーチャル空間に頼り切らない≫
テレビやコンピュータなどによる知識や実感の乏しいバーチャル画像で分かったつもりの間接的経験が豊富になりました。きれいな香り、光沢、手触り、何より自分で育てた愛おしさは、幼児が実物に触れ、実体験を通して「感じる」ものです。できるだけ「本物」の体験はできないか…と考えることが大人の役割でしょう。「ポピー」を生かし、ヒントにして、「幼児には本物を! 本当の実感を!」ですね。
※この「おとずれ」は、今号を持ちましてお別れ、終了とさせていただきます。長い間ご愛読いただき有難うございました。
         
(全日本家庭教育研究会 本部講師 荒川 進)

小学生

母:すごいじゃないの。お母さんは、8の段で苦労したのよ。
子:本当? 私はすぐに覚えたよ。

≪学年配当の漢字を翌年に繰り越さない≫
学年配当漢字を覚えないで繰り越すと大変になります。1年生では「人、口、木」などの易しい漢字が80字です。それを覚えずに2年生の160字、さらに3年生の「駅、緑、薬」などの難しい漢字が200字と重なっていき、3年生で全部を覚えるとすれば、80+160+200=440字です。しかも次第に画数が多く難しくなりますので、どうしても次学年へと先送りになります。これが重なると6年間で1026字となり、「漢字嫌い」になってしまいますから「繰り越し禁止」です。
≪順序良く学ぶと≫
「山、石」は1年生で習います。「山+石=岩」は2年生で習います。「田(1年生)+心(2年生)=思(2年生)」というように、漢字も積み上げると楽に覚えられます。「父(2年生)+母(2年生)=父母(2年生)」というように、意味を知るとさらに覚えやすくなります。ここでも後の学年に繰り越さないことが大切です。
≪覚える方法は≫
①「ポピー」を使って「きざみ入れ」をして学習していけば、漢字を適切に繰り返して読み・書きができ、楽に覚えられます。②教科書の最後に載っている学年別配当漢字で覚えてないものは、ノートに声を出しながら5回程書いて覚えます。そして、テストで確かめます。③「上→下」「牛→馬」など、意味を関連させて覚えるとよく覚えられます。④作文やメモなどはできるだけ漢字を使うようにしましょう。
≪書き順は≫
 漢字の書き順は、①上から下に書く ②左から右へ書く ③あとは漢字が新しく出てくるたびに覚える、というように例外が多いのです。低学年では新出漢字のたびに「1-、2-、3-」というように「空書き」やノートに繰り返し書いて覚えます。次第にほとんどの漢字の書き順は覚えられます。難しい書き順の字もありますので教科書に載っている筆順で覚えます。例えば、「右」と「左」です。これは間違えやすいので絶対覚えましょう。「耳、女、生、田、歌、楽、間、弓、母、万…」なども1つ1つ覚えます。4年生の「必」は、私も長らく間違えていたものですが、そのことは、「秘、密」です。
※この「おとずれ」は、今号を持ちましてお別れ、終了とさせていただきます。長い間ご愛読いただき有難うございました。 
         (全日本家庭教育研究会 本部講師 荒川 進)

≪順序良く学ぶと≫
「山、石」は1年生で習います。「山+石=岩」は2年生で習います。「月(1年生)+蔵(6年生)=臓(6年生)」というように、漢字も積み上げると楽に覚えられます。「胃(4年生)+腸(4年生)=胃腸」というように、意味を知ると覚えやすくなります。ここでも後の学年に繰り越さないことが大切です。
≪覚える方法は≫
①「ポピー」を使って「きざみ入れ」をして学習していけば、漢字を適度に繰り返して読み・書きすることになり、楽に覚えられます。②教科書の最後に載っている学年別配当漢字で覚えてないものは、ノートに声を出しながら5回程書いて覚えます。そして、テストで確かめます。③「上→下」「牛→馬」など、意味を関連させて覚えるとよく覚えられます。④作文やメモはできるだけ漢字を使います。⑤都道府県名の漢字は社会科でも使いますので、必ず小学校で全部覚えます。
≪書き順は≫
 漢字の書き順は、①上から下に書く ②左から右へ書く ③あとは新しい漢字が出てくるたびに覚える、というように例外が多いのです。低学年では新漢字のたびに「1-、2-、3-」というように「空書き」やノートに書いて覚えます。次第にほとんどの漢字の書き順は覚えられます。難しい字もありますので教科書に載っている筆順で覚えます。例えば、「右」と「左」の書き順は絶対覚えましょう。「耳、女、生、田、歌、楽、間、弓、母、万…」など1つ1つ覚えます。4年生の「必」は私も長らく間違えていました。そのことは「秘、密」です。
※この「おとずれ」は、今号を持ちましてお別れ、終了とさせていただきます。長い間ご愛読いただき有難うございました。 
         (全日本家庭教育研究会 本部講師 荒川 進)

≪学習すべき漢字の数:低学年≫
 漢和辞典にのっている漢字の数は辞典によって異なりますが、大型の大漢和辞典で約5万字です。これが世の中にある漢字の数と言えます。一般的な辞典では1万5000字前後です。しかし、全部の漢字を覚える必要はなく、小学校では1026字です。まず安心しましょう。
学年ごとに覚えるべき漢字はもっと少ないことを知ると大安心です。学年ごとに覚える漢字を「学年別配当漢字」といいますが、1年生は80字、2年生は160字、3年生は200字です。1年間は365日で、登校日数は年間200日ほどです。従って、3年生でも1日1字覚えればいいのです。そのくらいは覚えられますね。
≪学習すべき漢字の数:高学年≫
 漢和辞典にのっている漢字の数は辞典によって異なりますが、大型の大漢和辞典で約5万字です。これが世の中にある漢字の数と言えます。一般的な辞典では1万5000字前後です。しかし、全部の漢字を覚える必要はなく、小学校では1026字です。安心しましょう。
 学年ごとに覚えるべき漢字はもっと少ないことを知ると大安心です。学年ごとに覚える漢字を「学年別配当漢字」と言いますが、1年生は80字、2年生は160字、3年生は200字、4年生は202字、5年生は193字、6年生は191字です。1年間は365日ですが、登校日数は年間200日ほどです。従って、4年生でも1日1字覚えればいいのです。これなら覚えられますね。
≪学年配当の漢字を繰り越さない≫
学年配当漢字を覚えないで繰り越すと大変です。1年生では「人、口、木」などの易しい漢字が80字です。それを覚えずに2年生の160字、さらに3年生の「駅、緑、薬」などの難しい漢字が200字と重なっていき、6年生で全部を覚えるとすれば、1026字です。しかも画数が多く難しくなりますので、さらに次の学年へ、中学校へと先送りすると「漢字嫌い」になってしまいます。「繰り越し禁止」です。

中学生

中学ライフについて 知りましょう

小学校と中学校では、いろいろな面で大きな違いがあります。
この違いは、おとなしいお子さんにとっては、緊張感や疲労感を生むもととなって、体と心に大きな負担をかけるものになるので、私は、小学校と中学校の間にある「段差」とよんでいます。
中学校の1時間の学習時間は50分で、小学校よりも5分ずつ長くなります。毎週の授業時間数も多くなります。教科書の文字が小さくなって、ページ数も増え、授業の進む速さも少しずつアップします。

教科では、英語の勉強が始まるのが大きな特徴です。数学や美術、技術家庭、保健体育のように、名前が変わっているものもあります。専用の教室に移動して授業を受けることも多くなります。
教科によって指導する先生がみんな違います。小学校でも、音楽や家庭、クラブ活動などで、担任とは違う先生に習ったりしましたが、毎時間先生が変わるというのは、慣れないうちは大変なことです。
小学校と同じような小テストのほかに、定期テスト(中間・期末)といって、年間4回から5回にまとめて、全校いっせいに、各教科のテストが行われます。日ごろの復習がとても大切になります。
実力テストも何回かあって、点数が知らされます。

小学校の通知表は、子どものよいところしか書かないというのが原則ですが、中学校の通知表はとてもシビアで、各教科の成績が5段階または10段階に表されています。この点数が、そのまま高校入試につながります。通知表の成績には平常点が含まれます。小テストや宿題やノートの提出物にも気をつけましょう。
服装の面でも違います。小学校では、私服の学校が多く、決まっている学校でも、標準服といってあまり強制されていませんが、中学校の制服は、帽子、かばん、靴下も含めて、「校則」とよばれるルールで決められ、強制力のあるものになっています。
中学校では、生徒会活動といって、生徒が自主的に活動することが多くなります。修学旅行も、生徒たちが先生の指導の下、自分たちで計画を立てます。運動会や学園祭も、自分たちで運営します。
こういったことは、小学校時代は、そのほとんどを、先生にやってもらっていたわけですから、特に、引っ込み思案のお子さんにとっては、大変なプレッシャーになることでしょう。

今までお話ししたことをまとめると、

小学校というぬるま湯から中学校という熱すぎるお風呂に飛び込むような感じですが、中学校にしかない楽しみもあるのです。その第一は、部活でしょう。
 中学校には、部活動、略して部活があり、体育会系と文化系に分かれていますが、小学校でもやったことのあるスポーツから、さわったこともない楽器の演奏まで、さまざまな種類の部活があります。
 小学校から続けていることでもよい、中学校からトライして新しい世界を広げるのもよいと思います。クラスの友だちだけでなく、部活のなかまもできて、中学ライフがとても楽しくなることでしょう。
 「もう部活を決めているよ」というお子さんもおられるでしょうが、ほとんどのお子さんは、これから悩まれることと思います。
 よき相談相手になるために、『小学ポピー6年生』の付録『スカッと中学生』から、部活選びのチェックポイントを拾ってみました。
 ☆ 好きな続けられそうな部活を選ぼう! 
    なにごとも好きでなくては続かない!
 ☆ 部内の情報を聞いてみよう!
    きょうだいや先ぱいに、部内の情報を聞いておこう!
 ☆ 仮入部でいろんな部活を経験しよう!
    どんどん仮入部して、自分に合う部活を探してみよう!
 ☆ 友だちの「いっしょに入る~」に流されない!
    最後は自分の意志で決めよう!
         (全日本家庭教育研究会本部講師 岸田幸雄)